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2010年1月 8日 (金)

円高、ユーロ高、為替の問題

昨日、財務大臣が交代し新大臣が記者会見の場で余計な事をしゃべる。しかし、発言の本音は円安希望と判断され、為替市場は今進んでいるドル高が加速する。ドルが上がれば円が下がる。この国の経済が輸出に依存する割合が大きい事を考えると、その事は歓迎される。為替の問題は親父でも分からない処が多いが、数ヶ月前の円高は今国の経済と景気に大きくマイナスに動いた。この国の輸出代金に大きな影響を与える為替のレートは、企業の努力で95円の後半なら耐えられるらしいが、その事も良く分からない。

その事を新大臣は経済界の本音として口にする。親父の様な一個人で無く財務大臣として自分の気持ちを口にすればどんな結果になるのか、分からないのだろうか?政治家が為替のレートについて発言するのではない。財政の責任者が経済界の思惑を口にしただけで、市場に影響を与える事を過少に評価したと言われても弁解は出来ない。

この人はどの程度の経済知識があるのか分からないが、口ほどには無い気がする。自民党と役人の経済政策は批判出来ても新政策を打ち出すには容易でない気がする。経済は生き物。何時までもこれまでの政策を批判するだけで何も打開策が打ち出せなければ失速する。今はその様子見をしている処かもしれない。その時も長くは無い。春先にそれが見えなければ景気の先行きにブレーキが掛り、政権批判が加速する。

これは日本の話。フランスでも同様の話が持ち上がっているが、その話はもっと分かり易い。France大統領のサルコジが今のドル安は認められないと発言している。正確に言えば今はAmerica経済の持ち直し?でドル高、ユーロ安だと思うが、どのレベルを求めているのだろう?日本の経済界の様にどんなにドル高を求めてもそれは無理だろう。

ドルの通貨価値はアメリカの経済活力?で決まる。アメリカは今でも世界の通貨の基軸であるが、その役割は年々下がり信頼度も薄れている。フランスの大統領がどんなに容認出来ないと声高に語っても、如何ともし難い。ドルの価値は間違いなく下がる。その反対に円もユーロも上がる。その手立てが出来なければ企業も国も間違い無く負け組となる。

フランスの事は分からないが円とドルのレートはこれからも間違いなく円高になる。今年中に80円を切る事は無いだろうが90円は切って当たり前だろう。ドルの価値はその程度でしかない。それは経済の如何ともし難いお金の流れ。アメリカの経済力に活気が戻ればドルの価値に陰りは無いが、アメリカの製造業の地盤沈下が金融にとって替わられた時からその時は始まっている事を知らなければならない。

尤もらしく見て来た様に語る親父も言うまでもなく、アメリカの事とは知らない。「講釈師、見て来た様な嘘を言う」。親父のつぶやきも同じかもしれない。それでも多くの希望的観測を語るリーダーの言葉に疑問を感じなければいけない。

平城遷都1300年。このイベントの為にどれだけの国税を使っているのだろう?奈良西の京薬師寺の前に有る親父の好きな唐招提寺。鑑真和上の優しい木像。難行苦行の末に中国での高い立場を捨ててまで、当時未開の土地と言われた訳のわからない国に、どんな思いでこの国の土地を踏みしめたのだろう?

奈良の都の有様を目の当たりにした時、何を感じたのだろう。当時の天皇の招きとは言え、厳しい戒律も仏の教えの本当の意味すら見失われていた、東大寺の修行僧を見た時、言葉を失ったであろう。東大寺の修行僧だけでなく当時の僧達に厳しい戒律の教えは、想像以上の抵抗も有っただろう。それでも支持されたのは無欲で在り人間としての尊厳を失って居なかったからだろう。東大寺の役目を追われた時、西の京に粗末な甍(いらか)社寺を求めたのは、この地が故郷と同じ土の匂いがしたからだと言われる。

奈良の都には多くのドラマがあるが、現代人の多くのその思いをくみ取る心が無い。そんな人達がお金を掛けて何を記念し、何を心に刻むのだろう。そんな事をしていると本当にこの国はエコノミックアニマル以下になる。(エコノミックアニマルと昔、外国から馬鹿にされた事すら知らない若者も多くなる)。

本当はこの国は誇り高く、慎みとほほ笑みの深い国と評価されていた。ラストサムライ。あの映画は本当にこの国の武士の在り方を正しく評価していたとは思わないが、今年の為替の動きも案外、そんな見方も必要かもしれない。問題はそれ程に深い。

ユーロ圏の失業率は10%。アメリカのそれは意外に10%。(実態は17%とも言われている)。この国は5.2% 違うだろう。アメリカもこの国も雇用の先行きは厳しい。その事が為替と株式市場の数字に反映されるのは、国会が始まり問題点が整理されてからだろうか?

暫くは厳しい冬の寒さが続くがそれも長くは無いだろう。親父の出口はなかなか見えないが夜の明けない時は無い。どんなに苦しい暗闇の時が続いても時は移り出口が見えて来る。その時を漫然と待つのも良いが、本当は必至の思いでもがき苦しも事かも知れない。

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