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2009年10月 5日 (月)

そして神戸、そして復興の兆し、鉄人28号の眼差し(まなざし)の先に在るもの。

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鉄人28号完成セレモニーは昨日だった。現物はご覧の通り。漫画で見た迫力には何故か及ばなかった。何故だろう?期待が大きかったからだろうか?それでも見飽きる事はなかった。見物人も多く阪神淡路大震災の爪痕を感じさせるものは無く、それが何とも不気味でもあった。14年の歳月の重さを感じたのは未だに街並みに活力が無く、近代的な建物が放置された自転車と道路工事の中に在り、これからの復興の重みを感じた。

大震災で思い知らされた人の生き方、生活の営み、その中で学習した事はこんな雑然とした街並みの再建ではないだろう。周辺工事が完成した時,、駐輪禁止の取り組みは大変だろう。人の迷惑顧みず自分の事しか考えられない生き方は, モラルとかマナーという問題ではない。

鉄人28号は震災からの復興の困難をこれからどんな思いで見守るのだろうか?人の思いは一瞬にして叩き壊される。天災、人災、予期せぬ災難もどれだけ大きいのか、放置された自転車にはそんな思いは無い。自分達だけの事しか考えられない情けない生き方に、鉄槌(てっつい)が振り下ろされてからでは遅い事をもう忘れたのだろうか?そうではない。当時を知らない新参者が我がもの顔をして暮らしているだけだろう。バカタレが・・・。

長田の街には新長田と新の冠が着いていた。昔の長田しか知らない親父には街並みは大きく様変わりしていた。高いビルが建ち街には活気が溢れていると思いきや、そうではなく住宅地が高層化しているにすぎなかった。昔のゴムの街、靴の街、家内工業の街は何処に行ったのだろう。

ある程度予想された事とは言えこれが新しい神戸、新しい長田、新しい街作りだろう。地下鉄も繋がっていたが大阪の地下鉄同様、年寄りの足にはならないだろう。親父の様に健脚ならまだしも階段と連絡通路は苦痛以外の何物でもないだろう。バス路線の赤字が地下鉄で増幅されてもそのしわ寄せは誰が取るのだろう?地方の活力は本当に失われている。

帰りにこの地下鉄を三宮迄利用する。海岸通り線?地下鉄だから海岸は当然見えない。親父が若い頃利用した市電の面影を探しても何処にも無かった。当然、途中下車して表に出なければ無理だろう。三宮は細長い神戸の街の東の始点。此処にも懐かしい面影は何もなかった。そうだよなあー。震災後の建物と道路の破壊は予想以上で在ったのだろう。

長田の復興は震災の爪痕を拭い去り新たな問題を提起していた。三宮の地下街でコロッケと何故か讃岐うどんを食いながらそんな事を考えていた。うどん屋のイケメンの兄ちゃんは無愛想だったがコロッケのお店の娘は優しかった。自然体の接客。其処にも人の思いが在る。さり気無い仕草の中に人の感情が入り込む事を学習する。

親父が田舎から出て来て大阪海老江と大淀の事業所で営業の仕事をしたのが、今から40年前後前の話。当時の面影は無くなっても通りと街の記憶に変わりは無い。神戸は昔から大阪とは異文化だったが、これからもそうだろうか?ハイカラの中に優しい思いを感じる想いを何時までも残せるだろうか?このままでは財政の赤字も心配される。

親父がどんなに多くの思いを重ねても、失われた歳月は変わらない。それだけではなくこれからの再生の道も変わらないだろう。鉄人28号は今はピカピカだけどいずれ錆びる。その時の塗料はどんな物だろう?錆びないネジを経営の柱に掲げ、執念でオンリーワンの商品を実現した社長は良い顔をしていた。次は何を経営の柱にされますかと問われた時に、確信に満ちた言葉で語っていた。「錆びない・・・・」 錆びは鉄の強度を弱くする。

人間は如何だろう?親父の体にもあっちこっちガタが来ているが、も少し揺さぶられるとガタガタになるだろう。親父だけでなくこれからの高齢化社会を生きる爺婆(じじばば)は、病院に行く前に山に行け。病を治すなら山に行け。親父の錆びついた体が囁いて(ささやいて)いる。

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