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2009年4月14日 (火)

良いお湿り。異常な暑さも一段落。ありがとう。

昨日の写真を良く見ると不思議な桜木の幹の形に気付く。V字の右が無残に切られている。写真を撮る時には全然意識しなかった。意識した花弁が意外に清楚(この言葉も最近死語?)。直接目にする艶やかな色彩とは異なり、既に若葉が多くなりその色が重なっている。

そして画像を良く見ると幹が切られている。何年か前にこの先が枯れたのだろうか?そうではない。すぐ先に或る仕事場の通路に掛かり切られたのであろう。桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿と言われても仕事の邪魔になれば、それも止むを得ぬ事だったのだろう。

このアングルでは分からない左奥の枝と幹は、今年は色違いのピンクの花びらを着けることもなく、無為の春を終える。来年はこの幹同様、V字の形だけ残して切られるのだろうか?そんな事を予感させている。今日の雨で明日からは葉桜の時を、楽しませて呉れるのか。

一昨日、君と例の意見の違いで不快の思いをしたが、この写真を見ているとこれからの景気と経済が見事に表現されている。幹はVの形をしているが暗くて歪(いびつ)。自然体の伸びやかさがない。景気回復の方法を見誤ればこんな形になるのかも知れない。

それでも間違いではないのかも知れない。何もしないで手をこまねくよりは遥かにマシだと言えるかも。でも一番の間違いは問題の原因と対策を明確にしていない事だろう。桜の木なら兎も角、後の人達に尻拭いをさせるだけの政策に如何して、評価ができるだろう。

難しい事は分からないと言いながら、難しい事に何かを学ぶ事の出来ない親父達の世代が馬鹿にされて久しい。しかし、100年に一度の景気後退の原因が全てアメリカに在り、この国の経済と政治の政策に誤りが無かったと誰に言えるのだろう。

マスコミや政治経済のリーダーにその問題提起が何も無いのかと思いきや、今日の日経のコラムに我が意を得たりと思われる記事がある。「株高の影に見えるのは」コラムニストは前田昌孝氏です。

大手金融機関の8000億規模の公募増資。氏はこのコラムに書いていないが何処の投資家が損失の為の穴埋めに応じるのだろう。アメリカの金融危機はわが国には大きな影響が無いと言ってビジネスチャンスと公言していたのは何処の政治家と経営者だったのだろう。

政府の景気対策にも問題があると説く。2009年度の国債発行額が42兆円を越し、税収を上回ると言われる。前回の衆議院選挙で圧倒的に大勝した小泉改革では、国債発行が30兆を超したら財政規律は維持出来ないと議論されていた。そんな事は言えないのだろう。

今回の経済対策は世論調査でも評価されている。しかし、この国の財政は間違いなく破たんし消費税を10%にしても当該年度の支出を税収では補えないだろう。財務省は難しい言葉で財政の危機を口にしても今年の選挙では、口が裂けてもその事は言えない。

多くの有権者も政権交代は望まず保守と公明の政権与党に期待している。多くの高額所得者ならイザ知らず日々の生活に困窮する低額所得者にも、その思いは少なくない。多くの人が安心して働ける社会、生きて行ける社会が資本主義ではないのか?

その事を明確にせず綺麗事でどんなに安全安心と口先だけの言葉を並べても、後世の人は冷笑するだけで無く、評価しないだろう。今日の経済対策程の規模では無かったが、同様の事は過去、何度も行われた。景気対策の名の元に行われた多くの税金の無駄使い。ふるさと創生事業、今でも行われている費用対効果を無視した公共事業、対外援助。

そのツケを後回しにして舌を出して笑っている人は誰だろう?その事を考えるだけではなく舌を出しして笑われないような知恵を学習しなければならない。人は何時か終焉の時を迎える。どんなに権力者であろうと金力者であろうと、ましてや永遠の繁栄を期待したとしても。

しかし、国家はそれでは困るだろう。それなのに自分達の利害しか考えられないとしたら余りに情けない。それでも国家も例外ではない。個人同様、この国の2000年の歴史は繁栄の時ばかりではない。その事が分かれば親父の愚痴もその程度かもしれない。

最後に前田氏のコラムの結びを紹介する。

「あれこれ脆弱(ぜいじゃく)な問題を抱えている昨今の株高。中国の3月の銀行融資の増加額が28兆円に達したと言われる。」何時まで続くのだろうか。」

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