すみれの花咲く頃の街、今、心新たに研修中
景気の低迷で雇用の現場が厳しくなっている。小泉改革の光と影が鮮明になっているが、多くの日々の生活には、分からない処が少なくない。そんな中で親父は今、新しい職場で研修をしている。先週、1年足らずの職場で戦力外を通告され、暫くは歳の事を考えると昨年の失業の時が考えられたが、今有り難い事に新たなる職場を紹介され研修中です。
これまでの所とは多くの事が異なり、慣れるまでには多くの試練が予想されるが、こんな親父でも声を掛けて呉れた配慮に感謝し、困難を排除し新たなる挑戦の想いを強くしなければ申し訳が付かない。今まで多くの困難の時、立ち上がった不屈の精神を今一度、思い起こさなければならない。
昨年の12月。この職を求めたのは全くの偶然だったが今考えて見ると、高齢者(64)に出来る仕事と言えば必然の結果だったのだろう。景気の低迷の時、しかも予想外の金融と政治の思い上がりは弱者に容赦のない打撃を与えている。
その事を考えて見るまでもなく、親父は今一度の機会を噛み締めなければならない。暫くの時は多くの事に慣れなければならない。1つは朝、6時30分の起床。サラリーマンの時は当然であった事が今は当然ではない。今までは14時から11時までの仕事。起床はお昼前だった。だらしないとたしなめられても変わらなかった生活が、一変する。
笑われるが目覚ましは携帯で3つ、セットしている。(30分、35分、40分)。念を入れて置時計でもう1つ。それでも今朝は音が鳴る前に起きていた。この緊張に慣れなければならない。今朝、それ程に余裕があっても電車とバスの乗り継ぎは思いのほかロスが出た。
今までの仕事でもそうだったが、仕事になれる事は人になれる事。人とは出入りの人、会社の人、職場の人。それどれのポイントは違っても理解しなければならない事は多い。仕事に慣れる事が一番のカギだろう。まだ分からない事が多いが今はこんな状況です。
帰りに小銭の持ち合わせがなく、喫茶店でコーヒーとケーキを注文する。これまで経験した事の無い上品なケーキとアイスの付け合わせ。ヤバい。高そう。若い頃、京都三条京阪で天ぷら屋に立ち寄った時の事を思い出す。あの時は小銭をかき集めても足らず、後日の持参を約束する。今回は金の心配ではなく、浪費を反省する。でも心は違っていた。
こんな思いが出来るのも慣れない経験のお陰。この街で母さんは遊園地の飛行機で歓声を上げていた。あれから多くの失意の時が流れ、思いがけない体験が出来るのも何かの縁だろう。満足の思いで千円の代金を払い反対側のバス停で、バスを待つ。
見上げる空には飛行場を離陸した機体が茜空(あかねぞら)に向かって、左旋回をしながら上昇を続け高度を稼いでいた。親父の今の思いと何故か重なるものがあった。飛行機に乗る人は分かるが水平飛行に入るまでの僅かな時。どんなに安全と思ってもお尻と毛の生えた胸がドキドキする時、親父の心境が見透かされていた。
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