サブプライムからオルトA
親父の借りた住宅ローンは国民金融公庫と静岡銀行だった。静銀から借りたのは買った家が静岡だったから。大阪と京都の境目の大山崎にアパートを借りたのが新婚の時、静岡浜松に転勤したのは子供達が2歳と9ヶ月の時、一戸建ての家を用意すると言われてその気になる。実際は甘くなかったが賃貸のアパートは会社の補助もあり住み心地は悪くなかった。
あのアパートは銀行の支店長が家主でしっかりしていた。上下左右の物音や振動もなく快適だった。2年住み、そろそろ家をと思った頃天竜川の対岸に38.5坪で1000万の物件あり。28坪位のパナホーム2階建新築、迷う事は無かった。(昭和54年)
大阪では免許も車もなかったが浜松では車通勤は当り前、親父の様に自転車通勤、3キロ足らずの道でも信じられないと笑われた。転勤して間もない頃、経験の無い現地採用のメンバーと夜勤をしている時、夜の国道でパトカーに止められる。「免許証」「げー浜松では自転車でも免許証が要るの?」 不審者と思われたのだろう。
この話は事在る毎に話のネタになる。あの時、夜勤をしながら半年掛けて免許を取る。天竜川の対岸、竜洋に家を買った時には車も手にしていたから問題は無かったが実際は通勤が大変だった。会社、工場が浜松側に在るので天竜川を渡るのが一苦労。あの混雑は今でも変わらないのだろうか?川のこっちと向こうでは住宅価格と環境に大きな差が在った。
でも済めば都、会社も仕事量の目途が着くと一気に拡大する。転勤から2年後、家を買って間もなく新工場が浜岡の手前、大東町に建設される。大阪から転勤した先輩と共に移籍、再びの新工場立ち上げに苦労する。苦あれば楽もあり。通勤は天竜川とは逆方向となる。それでも片道40分のドライブコースは快適でも息は抜けなかった。
2建目の家は新工場も順調になった6年目、仕事は親父の出番も少なくなっていた。それだけ寝食を忘れ必死の思いで、先輩工場に無い生産方式を作り上げていたのだろう。はっきりと物を言う仕事のやり方は激情型で、全く経験のない新人も1人前になるのに時間は掛からなかった。それでも怒りと反発の想いは少なくなかっただろう。
それでも迷う事もなく自分の為でも無く、会社の礎を固める事に全力を成していた。当時の管理者は今は居ない。現代工場の管理者は当時の新人、現地採用者である。今日多くの企業が目覚ましい発展をしているが、同様のケースは稀であり今後同じ事例は無いだろう。
工場の立ち上げの時は本当に苦しく、ゴミなし、汚れなし、仕事無しと共に最初の工場を立ち上げた同僚からも揶揄(やゆ)された。広い広い工場の片隅でお裾分けされた仕事を新人と目を吊り上げながら仕事をしていた頃が疎ましくもある。自分は何一つ手にしていないからだろう。(仕事の評価はそんな物かも。それでも他人には妬ましく思われたのだろう。)
2件目の家は建て売りでは在ったが、広くて快適だった。68坪、木造2階建て38坪?あれは阪神タイガースが優勝した昭和60年。会社では親父の居場所は品質保証だった。今でこそ品質保証の会社での評価は高いが当時、クレーム処理と対策に追われていた。
そんな時の高い買い物、仲間は「何処にそんな金があるの?」。ハトが豆を食らった様な顔をしていた。給料も少なくは無かったが有り余る金もなかった。有ったのは竜洋の土地と建物。1000万足らず(頭金100万)の不動産は6年足らずの間に1.5倍に成っていた。
今日のアメリカの住宅バブルは親父が美味しい思いをした当時とは違う。あれから多くの年が流れても人の思惑は、国境を越えて金融の専門家?を巻き込み国家の在り方さえも危うくしている。経済の専門家と言ってもこの程度であれば笑いものだろう。
この国の住宅ローンの審査は「失われた10年」の前であっても、今日のアメリカ並みではない。昨年の夏頃まではエコノミストの1部しか囁かれず(ささやかれず)、今でも多くの人が知らないアメリカの住宅ローンのバブル。この国のバブルが弾けてもうすぐ20年。アメリカの代償は暫くは続き、この国の経済にも計り知れない打撃を与えるだろう。
昨夜の経済ニュースを聞きながら、我が世の春を謳歌(おうか)していただろう関係者の昨今を思う。資本主義社会の矛盾、過信、そして横暴。金融工学ともてはやされた理論は、机上の楼閣ならぬ砂上の楼閣だったのだろう。構造改革を声高に叫び、このままではアメリカとの経済格差が更に進むと尤もらしく力説していた学者さん、今、どんな口実を考えているのだろう。
最後になりましたがサブプライムの意味がやっと理解しかけた親父に、オルトAなる言葉が加わりました。信用力がサブプライムより在る借り手とか。このクラスのローン返済もとどこうりが多くなれば、アメリカに金融危機は更に深刻になるのだろうか>日本の株価は大丈夫?親父もやっと学者に負けない経済理論が見えて来た?もうすぐ朝です。また明日。
| 固定リンク


コメント