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2007年11月 2日 (金)

禁じ手

親父が眼にする社会現象は息子から言われるまでもなく、本当に限られている。親父だけでなく多くの人が目や耳で見聞きする、今日的出来事はほんの断片的情報に過ぎない。それでももっと多くの情報を手に出来る官僚や政治家、そして有りの儘の事実を伝えるべき関係者でも、自分たちに都合の悪い情報をどれだけ正確に伝えているのだろう。

最近、この思いを強くする。若い頃親しき友と「法律とはなんどや」と議論した事がある。法は国民主権者の物であり、何人たりともそれを犯す事はならない。これは法治国家として当然の事であるが、法の定めも多種多様で6法全書も司法の術も知らない一般大衆は、司法の関係者にとって、赤子の手をねじる位にた易い事だろう。しかし、人としてあるまじき行為、社会のモラルに反する非人間的行為、それは道徳的に許される事ではないと、熱き思いを述べた事がある。

さすがの正義感の強い親父でも、この歳になるとそんな若さは無いが人として在るべき姿と身の振り方は心していると思っているが、今の多くの人にはそんな思いも無いのだろう。この前、ある人から厳しく叱責されたがこの国の在り方は此の侭で本当にいいのだろうか?

この国は一見、本当に平和で穏やかに見えるがそうだろうか?単一民族で同じ価値観を共有し、同じ言葉を喋ればそんな印象を与えるのかもしれないが、歴史的に見ても今日の現象はボケとしか言いようが無い。殊更に危機感を持つ必然性は無いが国の財政がこれほど悪くても、その改善の為の取り組みに無策の政府と行政の在り方に、怒りを感じない代償は何時来るのだろう?現実の危機的出来事に無知でいると、国家の未来は惨憺たる有様に為る状況は歴史が証明している。その事を知らないだけかもしれない。

それでも暫くは何も変わらないだろう。変化が顕著になるのは何時だろう?その問いかけはナンセンスと言われるかもしれないが国会でもアメリカでもイラクの戦いでも表れている。大事な事はそのシグナルが感じられるかどうかである。参議院の自公の大敗、突然の安倍総理の退陣、アメリカのサブプライムバブル、今進行している原油の100ドル越え、アメリカのイラクでの混乱、誰が予測できただろう?

さすがにこれだけ原油の価格が上がると国内の物価に影響が出ている。深刻な問題はガソリンと灯油の価格。経済産業省の大臣はテロ特措法の継続のコメントではなく、これからの厳しい値上げの対策をコメントして下さい。あなたの所轄はどこですか?

政府と物価を管理する行政に経済のかじ取りを期待するのは意味が無い。物の値段はこれから年末にかけてどんどん上がる。ガソリン価格の便乗、思惑値上がりが続けば物流のコストは間違いなく上がる。その時、運送価格をこの国の経済は吸収出来るのか?

東京のタクシー料金は値上げ出来ても大阪は出来ない。街中には車が溢れそれどころではない。小泉の規制緩和の歪み。監督官庁のお間抜けなツケを払わされても大阪人には怒りの声すら上がらない。大阪人の商売上手は昔話になり、大阪市の財政はパンク寸前です。

今、日本各地の田舎は言うまでもなく大阪の様な地方都市まで財政の破たんが進行している。その原因は民間のやるべき事を行政の天下りで税金の無駄使い。経営破たん。それでも責任は明確でない。お役所の役人に金儲けが出来る訳が無い。そのツケを誰に払わせているのか、全く無責任です。

これからは地方の時代と言われて久しい。地方自治とか地方の再生とか耳触りのよい言葉を並べて、箱ものを作ってもそれは一時の事、税金の無駄使いと言われても言葉すらない。本当の意味で地方の再生とは何でしょうか?地方で生きる為にはそれが必需だろう。

タイトルの禁じ手の意味は、やってはいけない事。これは暗黙の了解と思っていたがこの言葉が死語になっているのかもしれない。多くのリーダーたる者、経営者、官僚、組織のトップがやってはいけない事の意味が分からないのだろう。いくらテロ特措法の継続を計っても防衛省の事務次官が襟を正さなければ、成立するわけが無い。

あれほどもっともらしく文科省の教科書検定の整合性を主張していた政府と役所は、沖縄からの突き上げで再度の変更を余儀なくされ、それでも検定の政治的圧力は無いと言う。何と間抜けな事か?その責任者いったい誰なの?そんな政府も民主党の小沢代表と党首会談を進めている。会談を拒否された安倍元総理はどんな思いだろう?

次の選挙で政権交代が言われているが、国民の支持は余程の事が無ければ変革は求めない。先の選挙で政府与党が大敗したのは余りにもお粗末な対応にあぐらを掻いただけ。次はその反動が必ず来るだろう。野党民主党も人の事をとやかく言える清潔さはないだろう。小沢党首の本音は分らぬが、元はと言えば自民党、金丸幹事長の下で政治と金の責任を問われたのだから、ここで判断にいささかのミスも許されはしない。なんか気に為る動きではある。禁じ手は取引です。話し合いが密室で行われてしまえば民主の勢いもこれまでだろう。

薬害の行政責任のひどさは何処から来ているのだろう?それよりも役所の責任者はどちらを向いて仕事をしているのだろう>。余りに言葉が無い。厚生省と労働省の合併でどれだけの行政改革が出来たのか?薬害の裁判で行政の責任がどんなに問われても否定していた根拠は証拠が無かっただけなのか?こいつらホンマにどこを向いて仕事をしていたのか?裁判で和解ではなく、全面敗訴だろう。本当にこの責任は重く刑事訴追を受けなければならない。当時の責任者で今でも薬の副作用を研究している役人は、平然と薬の反対はリスクとか言っていた。これは行政の一面だろうか?

テレビで槍穂高の晩秋を映していた。今から40年弱前の夏、3人の友と霧と雨の中を鎖にしがみ付きながら穂高の大分手前まで登った事を懐かしく思っていた。霧と雨が稜線から噴き上がり何も考えることなく眺めた水墨画の景色は忘れる事が出来ない。

「友人の友人はアルカイーダ」この発言者は鳩山法務大臣。しかも公式の場の発言。何が言いたかったかが問題ではない。この問題発言の意味が分からない人がこの国の法務大臣か?言うまでもなくこの国は民主主義の国だから何を言おうと自由です。しかし法務大臣がこの言葉を平然と発言するなら役職失格だろう。その意味すら分からなくて法務の仕事を平然と行う神経が問題だろう。

国の税務審議委員会も間接税の値上げを答申すると言われる。何故と思ってもこの流れは変わりそうにない。国の財政赤字は医療費だけでなく、高齢化社会に為るにつれ必然的にますます厳しさを増すだろう。だからこそ税の徴収にはいささかの不信を与えてはならない。

何で税金の取り立てがサラリーマンと親父のような年金生活者に厳しく、自営業者、法人組織に甘いのか?取れるところから巻き上げるやり方は江戸時代と変わらない。昔なら打ちこわしが行われてもおかしくないだろう。法人組織の多くが、赤字の為税の免除が許されるなら、高い利益を出して、税金を払っている企業は節税に取り組むだろう。

大体、税の根幹の意見には多くの人に納得させるものが無ければ、来年予想される選挙で勝てる訳が無い。にこにこしながら間接税値上げの意見を述べる感覚がおかしい。税制調査会の結論ありきの答申に左右され、消費税の値上げは何時だろう?

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